第七章 行政書士会及び日本行政書士会連合会
(行政書士会)
第十五条 行政書士は、都道府県の区域ごとに、会則を定めて、一箇の行政書士会を設立しなければならない。
2 行政書士会は、会員の品位を保持し、その業務の改善進歩を図るため、会員の指導及び連絡に関する事務を行うことを目的とする。
3 行政書士会は、法人とする。
4 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第四条 及び第七十八条 の規定は、行政書士会に準用する。
(行政書士会の会則)
第十六条 行政書士会の会則には、次の事項を記載しなければならない。
一 名称及び事務所の所在地
二 役員に関する規定
三 入会及び退会に関する規定
四 会議に関する規定
五 会員の品位保持に関する規定
六 会費に関する規定
七 資産及び会計に関する規定
八 行政書士の研修に関する規定
九 その他重要な会務に関する規定
(会則の認可)
第十六条の二 行政書士会の会則を定め、又はこれを変更するには、都道府県知事の認可を受けなければならない。ただし、行政書士会の事務所の所在地その他の総務省令で定める事項に係る会則の変更については、この限りでない。
(行政書士会の登記)
第十六条の三 行政書士会は、政令で定めるところにより、登記をしなければならない。
2 前項の規定により登記をしなければならない事項は、登記の後でなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。
(行政書士会の役員)
第十六条の四 行政書士会に、会長、副会長及び会則で定めるその他の役員を置く。
2 会長は、行政書士会を代表し、その会務を総理する。
3 副会長は、会長の定めるところにより、会長を補佐し、会長に事故があるときはその職務を代理し、会長が欠員のときはその職務を行なう。
(行政書士の入会及び退会)
第十六条の五 行政書士は、第六条の二第二項の規定による登録を受けた時に、当然、その事務所の所在地の属する都道府県の区域に設立されている行政書士会の会員となる。
2 行政書士は、他の都道府県の区域内に事務所を移転したときは、その移転があつたときに、当然、従前の行政書士会を退会し、当該都道府県の区域に設立されている行政書士会の会員となる。
3 行政書士は、第七条第一項各号の一に該当するに至つたとき又は同条第二項の規定により登録を抹消されたときは、その時に、当然、その所属する行政書士会を退会する。
(行政書士法人の入会及び退会)
第十六条の六 行政書士法人は、その成立の時に、主たる事務所の所在地の行政書士会の会員となる。
2 行政書士法人は、その事務所の所在地の属する都道府県の区域外に事務所を設け、又は移転したときは、事務所の新所在地においてその旨の登記をした時に、当該事務所の所在地の属する都道府県の区域に設立されている行政書士会の会員となる。
3 行政書士法人は、その事務所の移転又は廃止により、当該事務所の所在地の属する都道府県の区域内に事務所を有しないこととなつたときは、旧所在地においてその旨の登記をした時に、当該都道府県の区域に設立されている行政書士会を退会する。
4 行政書士法人は、第二項の規定により新たに行政書士会の会員となつたときは、会員となつた日から二週間以内に、登記事項証明書及び定款の写しを添えて、その旨を、当該行政書士会を経由して、日本行政書士会連合会に届け出なければならない。
5 行政書士法人は、第三項の規定により行政書士会を退会したときは、退会の日から二週間以内に、その旨を、当該行政書士会を経由して、日本行政書士会連合会に届け出なければならない。
6 行政書士法人は、解散した時に、その所属するすべての行政書士会を退会する。
(行政書士会の報告義務)
第十七条 行政書士会は、毎年一回、会員に関し総務省令で定める事項を都道府県知事に報告しなければならない。
2 行政書士会は、会員が、この法律又はこの法律に基づく命令、規則その他都道府県知事の処分に違反したと認めるときは、その旨を都道府県知事に報告しなければならない。
(日本行政書士会連合会)
第十八条 全国の行政書士会は、会則を定めて、日本行政書士会連合会を設立しなければならない。
2 日本行政書士会連合会は、行政書士会の会員の品位を保持し、その業務の改善進歩を図るため、行政書士会及びその会員の指導及び連絡に関する事務を行い、並びに行政書士の登録に関する事務を行うことを目的とする。
(日本行政書士会連合会の会則)
第十八条の二 日本行政書士会連合会の会則には、次の事項を記載しなければならない。
一 第十六条第一号、第二号及び第四号から第八号までに掲げる事項
二 行政書士の登録に関する規定
三 資格審査会に関する規定
四 その他重要な会務に関する規定
第十八条の三 削除
(資格審査会)
第十八条の四 日本行政書士会連合会に、資格審査会を置く。
2 資格審査会は、日本行政書士会連合会の請求により、第六条の二第二項の規定による登録の拒否、第六条の五第一項の規定による登録の取消し又は第七条第二項の規定による登録の抹消について必要な審査を行うものとする。
3 資格審査会は、会長及び委員四人をもつて組織する。
4 会長は、日本行政書士会連合会の会長をもつて充てる。
5 委員は、会長が、総務大臣の承認を受けて、行政書士、総務省の職員及び学識経験者のうちから委嘱する。
6 委員の任期は、二年とする。ただし、欠員が生じた場合の補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
7 前各項に規定するもののほか、資格審査会の組織及び運営に関し必要な事項は、総務省令で定める。
(行政書士会に関する規定の準用)
第十八条の五 第十五条第三項及び第四項並びに第十六条の二から第十六条の四までの規定は、日本行政書士会連合会に準用する。この場合において、第十六条の二中「都道府県知事」とあるのは、「総務大臣」と読み替えるものとする。
(監督)
第十八条の六 都道府県知事は行政書士会につき、総務大臣は日本行政書士会連合会につき、必要があると認めるときは、報告を求め、又はその行なう業務について勧告することができる。
第八章 雑則
(業務の制限)
第十九条 行政書士又は行政書士法人でない者は、業として第一条の二に規定する業務を行うことができない。ただし、他の法律に別段の定めがある場合及び定型的かつ容易に行えるものとして総務省令で定める手続について、当該手続に関し相当の経験又は能力を有する者として総務省令で定める者が電磁的記録を作成する場合は、この限りでない。
2 総務大臣は、前項に規定する総務省令を定めるときは、あらかじめ、当該手続に係る法令を所管する国務大臣の意見を聴くものとする。
(名称の使用制限)
第十九条の二 行政書士でない者は、行政書士又はこれと紛らわしい名称を用いてはならない。
2 行政書士法人でない者は、行政書士法人又はこれと紛らわしい名称を用いてはならない。
3 行政書士会又は日本行政書士会連合会でない者は、行政書士会若しくは日本行政書士会連合会又はこれらと紛らわしい名称を用いてはならない。
(行政書士の使用人等の秘密を守る義務)
第十九条の三 行政書士又は行政書士法人の使用人その他の従業者は、正当な理由がなく、その業務上取り扱つた事項について知り得た秘密を漏らしてはならない。行政書士又は行政書士法人の使用人その他の従業者でなくなつた後も、また同様とする。
(資質向上のための援助)
第十九条の四 総務大臣は、行政書士の資質の向上を図るため、講習会の開催、資料の提供その他必要な援助を行うよう努めるものとする。
(総務省令への委任)
第二十条 この法律に定めるもののほか、行政書士又は行政書士法人の業務執行、行政書士会及び日本行政書士会連合会に関し必要な事項は、総務省令で定める。
第九章 罰則
第二十条の二 第四条の七第一項の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第二十条の三 第四条の十四第二項の規定による試験事務の停止の命令に違反したときは、その違反行為をした指定試験機関の役員又は職員は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第二十一条 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
一 行政書士となる資格を有しない者で、日本行政書士会連合会に対し、その資格につき虚偽の申請をして行政書士名簿に登録させたもの
二 第十九条第一項の規定に違反した者
第二十二条 第十二条又は第十九条の三の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
2 前項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
第二十二条の二 第四条の七第二項の規定に違反して不正の採点をした者は、三十万円以下の罰金に処する。
第二十二条の三 次の各号のいずれかに該当するときは、その違反行為をした指定試験機関の役員又は職員は、三十万円以下の罰金に処する。
一 第四条の十の規定に違反して帳簿を備えず、帳簿に記載せず、若しくは帳簿に虚偽の記載をし、又は帳簿を保存しなかつたとき。
二 第四条の十二第一項又は第二項の規定による報告を求められて、報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又はこれらの規定による立入り若しくは検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。
三 第四条の十三第一項の規定による許可を受けないで試験事務の全部を廃止したとき。
第二十二条の四 第十九条の二の規定に違反した者は、百万円以下の罰金に処する。
第二十三条 第九条又は第十一条の規定に違反した者は、百万円以下の罰金に処する。
2 行政書士法人が第十三条の十七において準用する第九条又は第十一条の規定に違反したときは、その違反行為をした行政書士法人の社員は、百万円以下の罰金に処する。
第二十三条の二 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
一 第十三条の二十の二第六項において準用する会社法第九百五十五条第一項 の規定に違反して、同項 に規定する調査記録簿等に同項 に規定する電子公告調査に関し法務省令で定めるものを記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をし、又は当該調査記録簿等を保存しなかつた者
二 第十三条の二十二第一項の規定による当該職員の検査を拒み、妨げ、又は忌避した者
第二十三条の三 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前条第一号の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対して同条の刑を科する。
第二十四条 行政書士会又は日本行政書士会連合会が第十六条の三第一項(第十八条の五において準用する場合を含む。)の規定に基づく政令に違反して登記をすることを怠つたときは、その行政書士会又は日本行政書士会連合会の代表者は、三十万円以下の過料に処する。
第二十五条 次の各号のいずれかに該当する者は、百万円以下の過料に処する。
一 第十三条の二十の二第六項において準用する会社法第九百四十六条第三項 の規定に違反して、報告をせず、又は虚偽の報告をした者
二 正当な理由がないのに、第十三条の二十の二第六項において準用する会社法第九百五十一条第二項 各号又は第九百五十五条第二項 各号に掲げる請求を拒んだ者
第二十六条 次の各号のいずれかに該当する場合には、行政書士法人の社員又は清算人は、三十万円以下の過料に処する。
一 この法律に基づく政令の規定に違反して登記をすることを怠つたとき。
二 第十三条の二十の二第二項又は第五項の規定に違反して合併をしたとき。
三 第十三条の二十の二第六項において準用する会社法第九百四十一条 の規定に違反して同条 の調査を求めなかつたとき。
四 定款又は第十三条の二十一第一項において準用する会社法第六百十五条第一項 の会計帳簿若しくは第十三条の二十一第一項 において準用する同法第六百十七条第一項 若しくは第二項 の貸借対照表に記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、又は虚偽の記載若しくは記録をしたとき。
五 第十三条の二十一第二項において準用する会社法第六百五十六条第一項 の規定に違反して破産手続開始の申立てを怠つたとき。
六 第十三条の二十一第二項において準用する会社法第六百六十四条 の規定に違反して財産を分配したとき。
七 第十三条の二十一第二項において準用する会社法第六百七十条第二項 又は第五項 の規定に違反して財産を処分したとき。
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